【中国ドラマ『三体』】WOWOW版(テンセント版)とNetflix版の違いは?
(出典 www.tvinsider.com)

中国のSF文学の名作『三体』が、WOWOWとNetflixでドラマ化されるというニュースは、多くのファンにとって大きな驚きです。

WOWOW版は、原作に忠実な描写が特徴であり、一方でNetflix版は独自のオリジナリティを追求していると言われます。

この記事では、原作の魅力を損なうことなく、WOWOW版とNetflix版がどのように異なるアプローチを取っているかを探ってみますので、両版のドラマ化における異なる魅力や特色を理解する助けとなることを願います。

すでにWOWOW版は、全30話すべて配信中で、Netflix版は2024年3月にドラマが始まります。

まだドラマを見ていない方も、既に見た方も、この記事で名作『三体』の概要を予習してみましょう。

中国ドラマ『三体』映像化情報!

中国ドラマ『三体』は、複数の制作会社で同時進行的に映像化されています。

『三体』の映像化
  1. 中国テンセント版中国ローカル向テレビドラマシリーズ:2024年3月現在、WOWOWなど各種VODサービスで日本語字幕版配信中!
  2. Netflix版国際市場向け実写ドラマ:2024年3月21日配信予定!
  3. bilibili版(CGアニメ)アニメ版(日本国内からは視聴不可)

『三体』はどんなストーリー?

『三体』という作品は、中国の著名なSF作家である劉慈欣によって書かれたものであり、中国の現代文学の中でも優れた作品の一つです。

この小説は、中国の文化大革命を背景にしており、中国の社会、文化、そして政治の複雑さが描かれています。

劉慈欣は、中国の科学技術の進歩と国内の社会的変化を踏まえて、独自の視点と深い洞察力で物語を展開しています。

彼の作品は、中国の現実と架空の科学技術を組み合わせ、国際的な読者にも中国の文化や歴史に対する新たな理解を提供していおり、また、中国国内だけでなく世界中で広く読まれ、中国SF文学の国際的な評価を高める一助となっています。

『三体』というSF小説は、中国の歴史的な出来事を背景にしており、地球と異世界の文明との出会いを描いています。

物語は、文化大革命時代の中国で起こった科学者の悲劇から始まり、彼女が宇宙にメッセージを送ることで展開する一連の出来事を描いています。

主人公の一人は、ナノテクノロジー研究者であり、彼が関わる科学者たちの謎の連続自殺事件を追う中で、地球外知的生命体「三体人」と接触します。

この物語では、地球外文明との初めての接触がもたらす文化的、政治的な葛藤を、リアルな描写と深い哲学的思考を交えて描いています。

三体人は、太陽系外の惑星から地球に到達する計画を進めており、人類は未知の文明と交流することになります。

この物語は、単なるSF小説を超えて、人類の存在意義や宇宙における位置など、根本的な問いを投げかけているのです。

『三体』とはどういう意味なのか?

中国ドラマ『三体』というタイトルは、物理学の複雑な問題である「三体問題」からインスピレーションを得ています。

「三体問題」とは、三つの天体がお互いの重力によって予測不可能な軌道を描く状況を指し、その解決は数学的に非常に難しいとされています。

この問題は、物理学者たちにとって長年の難題であり、完全な解答はまだ得られていません。

小説・中国ドラマ『三体』では、この問題が物語の中心的な隠喩として使用されています。

物語の中で、三体星人が住む惑星は、三つの太陽の影響を受けており、その予測不可能な天体運動が、彼らの生活や文明に大きな影響を与えています。

このように、『三体』というタイトルは、物語の中心的なテーマと密接に関連しており、複雑で予測不可能な状況を象徴するものとして効果的に使用されています。

その三体星人たちの世界は、地球人が想像できないほど過酷な環境にあるのです。

その世界は、地球とは異なり、3つの恒星からなるため、その運動は解析的には解けないとされる(多体問題)が日常世界なのです。

三体星人たちが住む惑星は、この3つの恒星の引力で乱れた軌道を取り、一つの恒星が惑星を捕まえ、それを回らせた場合、三体星人は穏やかな「恒紀元」を迎えることができるのです。

しかし、そうでない場合は「乱紀元」となり、日の昇りと暮れが不規則になります。

三体星人たちは、乱紀元に備えて臨時脱水機能を進化させたが、それは常に有効ではない。

恒星の運動の乱れにより、惑星の軌道が不安定になり、気候も極端に変化してしまいます。

さらに、複数の恒星に近づくと惑星が裂けてしまう可能性もあるのです。

このような環境下で三体星人の文明は何度も滅びを迎えてきました。

彼らの住む惑星は恒星に対して質量が小さいため、いつかは軌道の乱れで恒星に落ちる可能性があります。

そのため、彼らに残された選択肢は宇宙に移民することだけであり、天災に脅かされる彼らは、帝国主義的な社会体制を取らざるを得ず、地球人の道徳を無視せざるを得ず、それが生き延びるための価値観だからなのでした。

そして、三体星人の真の目的は、地球の環境が良いため、そこに移住することです。

  • 森林伐採や大気汚染など、科学の負の側面を示し、環境破壊や科学の弊害を恐れさせること。
  • カウントダウンや宇宙の明滅などの超自然現象を示し、科学的な思考を圧倒し、思考体系を崩壊させること。
  • 地球の科学技術を現在のレベルにとどめること。

三体人は、時間が経てば地球文明の技術レベルが三体人よりも上回る可能性があると懸念していました。

そのため、地球人を管理しやすくするために、肉眼では見えない陽子をスーパーコンピューター"智子(ソフォン)"に改造して地球に送り込み、リアルタイムで地球を監視し、科学の発展を封じる計画を立てました。

科学者たちは三体人から送られてきた「お前たちは虫けらだ」というメッセージに対し、成すすべないと感じて自暴自棄になりましたが、シー・チアン刑事は言いました。

「人類を虫けら扱いする三体人はある事実を忘れているようだ。虫けらは今まで一度も負けたことがない」

Netflix版とWOWOWテンセント版の違いは?

同じ原作小説を基にして、異なる制作会社がそれぞれ独自のドラマ版を制作しています。

そのため、ストーリーの骨組みは同じでも、キャストやその他の要素は全く異なります。

あらすじで見るとWOWOWテンセント版での進行順は「現在」から始まりますが、Netflix版のティーザーからあらすじを考えると、時系列にそって「過去」から始まるようです。

1960年代に中国で下されたある決断が、時空を超えてもたらす大きな影響。それを知った現代の科学者たちは、人類最大の脅威に直面することになる。

これは、最初の予告編で公開されたものです。

映像の冒頭では1960年代の文化大革命から始まるようです。

物語の主人公は、明らかではありませんが、最初は若い時代の葉文潔(イエ・ウェンジエ)が中心になって展開されています。

大科学者で反革命派だった葉文潔(イエ・ウェンジエ)の父親である葉哲泰(イエ・ジョータイ)は文化大革命の非難集会で公開処刑されます。

さらに、葉哲泰(イエ・ジョータイ)を非難したのはもう一人の娘である葉文雪(イエ・ウェンシュエ)と妻の紹琳(シャオリン)でした。

葉文潔(イエ・ウェンジエ)は人類に失望し、その後、中国の秘密基地"紅岸"に配属され、そこで巨大なパラボラアンテナを備えた宇宙文明との交信に成功します。

Netflix版では、時系列に沿ってストーリーが展開されるため、なぜそのような展開になるのかがわかりやすいと思われます。

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